『クラインガルテン』って言葉を聞いたことはありますか?
あまり馴染みのない言葉で初めて聞いた!って人がほとんどかもしれません。
このご時世、都会での暮らしに疲れや不安を感じながら毎日を過ごしている人も多いと思います。
今までと同じような暮らしが送れないストレスを抱えながら、先の見えない状況に日々困惑しますよね。
都市部では人混みや密を避けるといっても現実はなかなか難しかったり・・。
自然豊かな場所で思いっきり深呼吸したいな、なんて思うこともあるかと思います。
そんな、都市部に住む方にもぜひ知ってもらいたいクラインガルテンについて、滞在歴半年の筆者がリアルな目線でご紹介します!
クラインガルテンとは?

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まずは、クラインガルテンという言葉の意味について知っていきましょう。
聞いたことはあるけど、いまいちよく分かってないというあなたも要チェック!
ドイツ生まれの”小さな庭”
クラインガルテンとは、ドイツ語で”小さな庭”という意味で、賃貸の農園付き物件のこと。
”ラウベ”と呼ばれる簡易宿泊できる家と畑をセットで借りて、気軽に田舎暮らしと野菜作りを楽しめる施設です。
ラウベは長期滞在ができるので、ホテルとはまた違って自分仕様に家具を置いたりして自分の家のようにリラックスできる空間として利用できます。(一部降雪量の多い地域では冬期利用は不可)
ドイツでは200年以上前から人々に親しまれ、人々は借りた畑で野菜や果物、草花を育ててて楽しんでいるそう。
歴史ある施設なんですね!
日本でも利用者が急増
新型コロナウイルスの影響もあり、クラインガルテンでの自然に囲まれた菜園生活が注目されています。
これまでは、定年後のセカンドライフとして利用される方が中心でしたが、最近では、現役で仕事をされている方がテレワーク利用していたり、子育て世代の方が自然豊かな環境と安心・安全な野菜を求めて利用されるケースも増えています。
クラインガルテン暮らしのメリット

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私がクラインガルテンに興味をもって色々調べていた頃、知れば知るほど暮らし方のイメージができてワクワクしたのを覚えています。
今度は私がみなさんにお伝えする立場として、実際に暮らしてみて感じたクラインガルテン暮らしのメリットをご紹介したいと思います。
たくさんありすぎて書ききれないですが、3つに絞ってみました。
二拠点生活が可能!
現役でお仕事をされている世代や子育て中の方にとっては、いきなり田舎暮らしをするにはかなりハードルが高いですよね。
そこで、お試しとして週末だけクラインガルテンに滞在して田舎暮らし体験をし、平日はいつも通り都市部で仕事や子育てをすることできるのが二拠点生活のメリット。
実際、私の滞在しているクラインガルテンにも平日は都市部でお仕事などをされて、週末だけ来る方がけっこういます。
なかには何時間もかけて遠方から来る人もいるので、移動にはやはり車が便利かなと思います。
また、毎日滞在してテレワークなどの仕事をしたりすることも可能。
私の滞在しているところは郵便物や宅配便もちゃんと届きます。
自然&美味しい野菜に癒される
なんといっても豊かな自然と触れ合えることが一番のメリットだと感じています。
どこを見ても視界に緑があり、空気も美味しいなんて、本当に贅沢だなーと毎日思います。
そして目にも優しいです!(家の窓から見える景色といったらこれまた最高!)
そして、畑で採れた新鮮野菜。
普段は土を触ることなんてない!という方も多いのではないでしょうか?
私も実はそうでした。特に虫が苦手で、ちょっとでも見かけると悲鳴をあげていましたが、このひと夏でだいぶ慣れました。
虫だって自然の中でちゃんと役割をもって仕事をしているんですよね。
また、野菜作り初心者でも、農業指導の方やご近所さんたちが丁寧に教えてくれるので、ちゃんと美味しい野菜がすくすく育ち、めちゃくちゃたくさんの野菜を収穫することができました。
あんなにちっちゃな苗を植えただけなのに、こんなにできるのー!?と、驚きと喜びでいっぱいでした。
これを知ってしまったら、もうスーパーで野菜を買えません・・・。
(今までお世話になっていたのにすみません!)
人とのふれあい
野菜作りド素人の私がなんとか野菜を収穫できたのも、ご近所さんをはじめ人とのふれあいがあってこそだったし、そこにはいつも温かな言葉やそっと新参者を見守ってくれる優しさがありました。
ありがたくて嬉しくて、本当に助かりました・・・。
農作業シーズンは、天気のいい日に一歩外に出ればラウベ利用者さんとの交流があるような感じの日常です。
また、周辺住民のみなさんと触れ合える機会をクラインガルテンを運営する方々が設けてくれていて、地元のおじいちゃん、おばあちゃん達との交流も楽しめます。
ただ、私のいるクラインガルテンでは例年一年中を通して毎月のようにイベントが企画されているのですが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止となったイベントがほとんどでした。
クラインガルテン暮らしのデメリット

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オススメのクラインガルテン暮らしですが、いい面もあれば気になる面もあります!
私が滞在しているなかで感じたデメリットについてもリアルに書いていきたいと思います。
ご近所づきあい
滞在型のクラインガルテンに毎日滞在しているような場合ですが、田舎ならではのご近所付き合いが存在しているなと感じています。
これは人によっては寂しくないのでメリットになる場合もあるかと思いますが、都市部でほとんどご近所付き合いの無い人からすると、ちょっと面倒に感じることもあるかもしれません。
私は、ウン十年の人生のなかで、ご近所付き合いらしいものを全くといっていいほどしてこなかったので、はじめはなかなか慣れないものでした。
ご挨拶だけで終わらない会話、急なお茶飲みへの誘い等々・・
よく聞く田舎暮らしあるあるですよね。
結論から言うと、「マイペースでOK!」です。
気が乗らなければ断ってもいいし、基本の挨拶が感じよくできればオールOK!だと思います。
私の滞在するクラインガルテンはシニア層の方が多いので、ご近所付き合いは世代によるものかな?とも思います。
厳しい自然
やはり自然の中に身を置くというのは、人間だけに都合良く生活できることばかりではないことを受け入れなければばりません。
虫が多かったり、ヘビが出たり、ところによっては大雪に見舞われたり・・・。
また、その年の気候によってはせっかく植えた野菜がうまく育たなかったり、動物や虫にやられたりすることもあります。
野菜がダメになるのは悲しいですが、無農薬で自然のままに野菜が育つということはこういうことなんだなーと知ることは大きな学びであり収穫だと思います。
車は必須!?
都市部に住む方は車をもっていない人も多いと思います。
クラインガルテンはどうしても山間部などの田舎にある場合がほとんどなので、車が無いとアクセスが不便だったりします。
なかには電車やバスを利用できる場所もありますが、本数が少なかったりするので買い物や移動の不便さを感じるかと思います。
クラインガルテンに関するQ&A

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クラインガルテンについてざっくりと知ってもらえましたか?
記事を読んでいただくなかで疑問も出てきたかと思いますので、以下のQ&Aも参考にしていただけたら嬉しいです!
よりクラインガルテン暮らしがイメージしやすくなるかと思います。
農業初心者なんだけど大丈夫?
大丈夫です!
初心者でも農業指導の方や先輩利用者さんが教えてくれたり、農機具の無料貸出(一部有料)もあります。
費用はどのくらい?何年利用できる?
滞在型農園(ラウベ)は、場所にもよりますが年間30~40万円ほど(水道光熱費別)が一般的です。
場所によって設備等が違い、冬期は利用できないところもあります。
また、利用にあたっては年間契約で、最長5年まで利用延長可能です。
空きがあれば、年度の途中から入居することも可能です。
場所により利用条件等が異なります。
畑だけ借りたいんだけど・・
日帰り型農園として畑だけの利用も可能なところがあります。
利用条件があったり場所にもよりますので、お近くのクラインガルテンを検索してみてください。
まとめ

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コロナ渦ということもあり、先行き不透明な今日この頃・・。
人混みや密を避けようにも、都市部ではそう簡単ではありません。
しかし、ストレスフルな心と体に、自然はいつでも誰にでも癒しを与えてくれます。
今、人間としての原点である「自分の食べ物を自分で作る」という暮らしが見直されてきています。
私は野菜は買うものとして育ち、生きてきました。それが当たり前でした。
そこには野菜やそのほかの食べ物への感謝が無かったように思います。
小さな種や苗が少しづつ少しづつ大きくなる様子は、実際に野菜を育ててみなければ知らなかったことです。
野菜を通じて、自然の摂理を感じ、自然に生かされていたんだとクラインガルテンに来て
初めて感じました。
また、働き方も大きく変わろうとしています。
テレワークというネット環境があればどこに居ても仕事ができる今は、まさにクラインガルテン暮らしにぴったりフィットする時代だと思います。
価値観が多様化する中、これからは仕事は都市部でなくたってできるし、これからはどんどん田舎が面白くなる時代になると私は確信しています。
クラインガルテン暮らしという新たな選択肢をひとつ増やすことは、あなたの暮らしをもっと豊かにすることに繋がるかもしれません。
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